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2005年 02月 16日

トルシエ門下生の道

 中田浩二の入団発表がマルセイユにて行なわれた(参照)。マルセイユ監督であるトルシエとは相思相愛の関係であるという。すでに参加したチーム練習では、中田は左サイドもしくは左よりのセンターハーフを担当しているそうだが、実戦ではどこで起用されるのか興味深い。

 「彼はMFだが左も守れる。最高のマルチプレーヤーだ」(トルシエ談)。ご存知の通り、トルシエ政権下の日本代表時代の彼は左ストッパーとして活躍していた。サイドを担当することの方がむしろ珍しかったように記憶しているが、左利きということもあって監督としては重宝するだろう。起用されるポジションがサイドだった場合、彼はリザラズの抜けた場所を埋めることになる。もちろん中田浩二はリザラズのようなプレーを得意としているわけではない。トルシエが自チームのサイドの選手に求めているのは、どうやら走力ではないらしい。それは、あの4年間で重々理解させられてきたところである。何せ中村や小野が担当していたのだから・・・。

 ともかくも、トルシエがようやく欧州の名のあるクラブを任されたことによって、W杯終幕当初にはもう少し早く実現するかと思われたトルシエ門下の海外進出が始まったと言える。トルシエの首が飛ばなければ、あと一人か二人の元・門下生がマルセイユの門を叩くことになるかも知れない。

 これとそっくり同じような状況が隣国にもある。韓国である。ヒディング政権下でアジア初のW杯4強入りを成し遂げたあのチームから、李栄杓と朴智星がオランダはPSVへ渡った。彼らはW杯後に恩師に請われて海外へ進出し、今も主力として戦っているのである。境遇としては、現在そしてこれからの中田浩二と酷似している。

 初めから実力を認識してくれている監督の元でプレーする機会を与えられたのである。つまり思う存分活躍できるベースがそこにはある。これは海外進出の一発目としてこの上ないチャンスだろう。日本人が海外で失敗しないスタートを切るには、最も有利な方法である。本来、新加入の選手は監督の信頼を勝ち取るまでがまず初めの勝負なのだが、今回のような場合はそのステップを飛び越えて、実戦で使えるかどうかという判断基準で考えてもらうことが可能だ。ナイーブな若者が多い日本の選手たちにとってそれは都合の良い環境であることは間違いない。

 第二、第三の中田浩二がマルセイユに渡ると夢想した場合、まず思い浮かぶのが当時DFの要だった宮本だ。トルシエと選手団との橋渡しになっていたくらいなので、コミュニケート能力には問題がない。今のところ英語しか話せなくても、マルセイユの選手ともすぐに溶け込んでいけそうな雰囲気は持っている。ただ、巨漢の多い欧州リーグで頭脳的守備だけで渡り合っていけるかどうかは未知数ではある。
 その点、中沢は期待値が大きい。トルシエ政権下でも何とか頑張っていたし、印象には残っているはずだ。本人も海外志向がある様子なので、オファーがあれば今回の中田のように駄々をこねてでも行くだろう。トルシエ時代のプレー経験者として松田も捨てがたいが、横浜のことを考えても二人一度にということはないだろう。


「僕はここに残りたいと思っている。たった半年プレーするためだけにここに来たわけじゃない。チームは素晴らしいし、僕らはリーグ後半でさらに健闘できるだけの力がある。もしクラブが僕をお払い箱にしたいのなら、はっきりそう言って欲しい。適切な人物と話をする必要があるね」

 この意味深なコメントの発言者はマルセイユ所属のベノワ・ぺドレッティである(参照)。彼はフランスきっての逸材だが、トルシエ監督との確執が噂されている。この夏、仮に彼が出て行くとすれば、ハーフの人材も門下生から候補に上がるかも知れない。となれば、思い立つのはまず阿部勇樹か。トルシエの元でW杯には出場できなかったものの、それまで阿部が怪我を克服するたびに何度も招集していたのが印象的だった。

 ポンポンと上がるDF陣の候補者に対して、前線はいまいち名前が浮かばない。印象を残したのは鈴木だろうとも思うが、彼をトルシエがDF能力以外に買っているとは思えない。高原にしてもW杯に出れなかったし、柳沢もパンチに欠ける。
 欧州のチームに在籍する中田英寿や中村は、また以前の問題が再燃しそうなので使いづらかろう。ふと、意外なところでル・マンで奮闘する松井大輔を思い浮かべた。フランス2部リーグということでJリーグにいる選手より格段に情報は入りやすいと思われるが、ただ彼はトルシエ門下生ではないというのが痛い。仮にトルシエの3-4-1-2に彼を嵌め込むとすれば、おそらくは左のサイドか。

 欧州のクラブチーム間では監督が門下生を連れて移籍するなんて話も珍しくはない。今季のモウリーニョしかりだ。日本人がその風潮にあやかれるのは、今のところトルシエのところしかない。その彼にしても今季終了までが踏ん張りどころの様子。さてさて、来季のマルセイユに日本人の在籍者は増えているのか、いないのか。とりあえず、トルシエ率いるマルセイユがチャンピオンズ・リーグ出場圏内でフィニッシュできれば、その先の道も見えてくるのだが・・・。
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by meishow | 2005-02-16 21:03 | フットボール


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